佐々木宏子 青のあいだ ガラスオブジェ・タブロー
SASAKI HIROKO Unconscious Nature and Conscious Object
Glass Object and Tableau

<青のあいだ>は精神性を重視した象徴的な捉え方の造形美であり、強靭なものをひらがなの「あいだ」で現している。
1965年20才の佐々木はルチオ・フォンタナ<空間概念>有から無に触発され、以来半世紀、<青のあいだ>無から有の造形に向かう。
コバルトブルー顔料一色、一つの技法、天地を暗示する一つの形で極限まで削ぎおとした抽象表現で希有な芸術領域に到達。
<青のあいだ>「青の精神—無から有」タブローとマニフェストを初個展で発表。カタログ(パリ国立図書館蔵1977年)に<青のあいだ>の造形思考「無意識的な自然と意識的なもの[Unconscious Nature and Conscious Object]」を表明。
<青のあいだ>の異素材・異技術・異表現の中で最初に挑戦したのが1976 年に発表したガラスオブジェであった。
美大で基本と精神を重視した先端的美術教育の現代造形専修を立ち上げ実践。 OKUSAWA CONTEMPORARY ART AND DESIGN DOCUMENTS (www.okusawa-documents.com) (2012-2013年)では、ジャンルを超えて全10回の企画展を開催、プロデューサー、ディレクターとして現代美術の啓蒙活動をおこなった。

展覧会概要

会期 2016年5月31日(火) − 6月12日(日)
会場 代官山 ヒルサイドフォーラム
〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町18-8 代官山ヒルサイドテラスF棟1F map 
開館時間 11:00-19:00 入場無料
主催 佐々木宏子展実行委員会
後援 渋谷区教育委員会
認定 公益社団法人企業メセナ協議会
協力 株式会社クサカベ 株式会社山田写真製版所
特別協力 一般財団法人佐々木宏子財団 www.sasakihirokofoundation.jp 
関連事業 シンポジウム「芸術・科学・コンストラクション」 全2回 要予約 定員各60名 ご予約はこちらから 

作品集出版 佐々木宏子『青のあいだガラスオブジェ・タブロー・モノローグ』 日伊仏英4ヶ国語併記
カラー68P 誠文堂新光社発行

展示内容

1F・油彩タブロー:130号-150号 2014-2015年制作
2F・ガラスオブジェ:1973-2016 年制作
パブリックアート提案展示:大型出力紙
DVD上映:「青のあいだ-Unconscious Nature and Conscious Object」 48分 英語字幕

ガラスオブジェ

「青のあいだ」の異素材・異技術・異表現として佐々木宏子はこれまで石版画、アクアチント、ガラスオブジェ、テキスイル インダストリアルマーブルプリント、陶、基本設計コンクリートアトリエ&屋上菜果園、大理石彫刻に挑戦してきました。
その中で最初に取り組んだのがガラスオブジェでした。
大学の授業で柳宗理先生が告知してくれた現代アメリカガラス展を見た佐々木は数年アイディアを温め、1973年に遠縁の理化学ガラスの町工場に頼み込んでガラスオブジェ制作を始めました。研究機関からの注文で精密を極める実験器具作りを行う職人さんの隣で偶然性を取り入れたビードロの吹きガラスのようにいびつに吹き、職人さんが垂直にたつように足を吹いての作業でした。
1976年にガラスオブジェ2人展を池袋西武アトリエヌーボーで開催、柳宗理は勿論、堤清二社長、多くの彫刻家、アーティストやデザイナー訪れ、会場に駆けつけた岩田藤七氏はその後、1979年に小田急で日本ガラス展を開催し多くのガラス作家を排出することになりました。

油彩タブロー

<青のあいだ>を半世紀、1965 年からその精神性と美術の筋道を探求し続けています。
「青のあいだ」初個展のカタログ(パリ国立図書館蔵 1977)に「青の精神:無から有」を発表し自らの造形思考「青のあいだ-無意識的な自然と意識的なもの」を表明しました。今では[青のあいだ-Unconscious Nature and Conscious Object]は海外の美術関係者などにも 認知されるようになりました。
偶然性を取り入れた佐々木独特の流しの技法は、琳派のパイオニア俵屋宗達などのたらし込みに通じるもので、アメリカの抽象表現の流しやドリッピング技法のオートマティズムとはその内奥が異なっています。
一生 、コバルトブルー青一色1つの技法、1つの形を使用し、平面の極限まで削ぎおとした抽象表現で自由自在な稀有な芸術領域に達することになりました。
抽象表現は自然を観察することから得られもの、テクノロジーの進歩で自然科学、都市や精神、宇宙や空間などがマクロ的、ミクロ的、ナノ的に捉えられ、美術でもこのことが重要です。グローバル化の現代こそ個を重視しなければならないが、「青のあいだ」も平面性の強い画面ではあるが、コバルトブルー顔料の粒立ちを重視しています。

シンポジウム:「21世紀の芸術・科学・コンストラクション」

全2回 要予約 定員各60名
ご予約はこちらのフォームから受付いたします。 

  • 第1回 「簡潔な作品は簡潔な空間を構築させ簡潔な精神を現出させる」

    日時:2016年6月2日(木)19:00-20:30

    パネリスト

    見上眞司(sixinchJAPAN代表、コンテンポラリーファニチャー) *都合によりご欠席
    安宅研太郎(東京芸術大学他非常勤講師、建築家)
    土屋貴哉(国立佐賀大学准教授、美術家、コンセプチャルアート)
    佐藤忠(彫刻家)
    佐々木宏子(現代美術家)
    司会 楠見清(首都大学東京准教授、元『美術手帖』編集長)
  • 第2回 「ジャンルを超えて、それぞれの視点から現在(いま)を語る」

    日時:2016年6月3日(金)19:00-20:30

    パネリスト

    保坂展人(世田谷区長) *都合によりご欠席
    須磨久善(心臓外科医、須磨ハートクリニック医院長)
    石井美加(株式会社資生堂 経営戦略部 市場情報室)
    佐々木宏子(現代美術家)
    司会 楠見清(首都大学東京准教授、元『美術手帖』編集長)

出演者、テーマが変わることがあります。

シンポジウム:「21世紀の芸術・科学・コンストラクション」
ご予約お申し込みフォーム

全2回のシンポジウムは終了致しました。
ご来場有難う御座いました。

作家略歴 Profile

佐々木宏子 現代美術家

1945年 東京世田谷生まれ 本籍 青森五所川原市
(没年カンディンスキー、モンドリアン)
1957年 女子美術大学付属中学入学
1965年 女子美術大学3年 柳宗理の授業を受け芸術家としての資質に影響を受ける
フォンタナの「空間概念」有から無に触発され「青のあいだ」無から有を一生のテーマとして決定する
1967年 女子美術大学洋画科卒業 安宅賞受賞 共通絵画研究室助手
1972年 新制作協会新作家賞受賞(1974年にも受賞)1983年退会
女流画家協会展花椿賞受賞(1973年、1978年受賞)1983年退会
1976年 ガラス2人展 池袋西武本店アトリエヌーボー
1977年 初個展「青のあいだ」作品と「青の精神-無から有」を表明
カタログ 英語併記(パリ国立図書館蔵)銀座ミキモトホール
(以降2,3年ごとに個展開催)
1994年 世田谷美術展招待作家 2007年迄
1999年 [SASAKI HIROKO]作品集 刊行美術出版社
1999年 基本設計コンクリートアトリエ+屋上菜果園
2002年 「青のあいだ1967-2002」国際芸術センター青森主催、日本女性会議青森市併催
2003年 女子美術大学にて基本と精神を重視した先端的美術教育の現代造形を立ち上げ実践
2005年 フランスの現代音楽の第一人者ピエール・ブーレーズとのミーティングが実現
ほぼ同時期1975年にブーレーズは「意志と偶然」をパリで出版し、佐々木は「無意識的な自然と意識的なもの」をカタログに発表した。互いの作品の構造が共通していることを直に本人に確認する。
2007年 [青のあいだ-Unconscious Nature and Conscious Object] DVD 青森テレビ制作 48分 英語字幕スーパー
2010年 女子美術大学教授を定年退職 一般財団法人佐々木宏子財団を設立 現理事長
「現代美術と禅Contemporary Art and Zen」単行本 英語併記 刊行美術出版社
「青のあいだ」巡回個展 兵庫県立美術館、世田谷美術館、青森県立美術館(共催 世田谷区、青森市)後援各教育委員会
2012年 OKUSAWA CONTEMPORARY ART AND DESIGN DOCUMENTS
1年間全10回の企画展・電子書籍のプロデューサー、ディレクターとして活動
2014年 「青のあいだ2011-2014」世田谷美術館、京都文化博物館 後援 各教育委員会
2016年 「青のあいだ-ガラスオブジェ&タブロー」ヒルサイドフォーラム
「青のあいだガラスオブジェ・タブロー・モノローグ」作品集出版